メモ帳

自分用のメモです。

Burkitt Lymphoma International Prognostic Index (BL-IPI)

Burkitt Lymphoma International Prognostic Index
J Clin Oncol. 2021 Apr 1;39(10):1129-1138. doi: 10.1200/JCO.20.03288.
PMID: 33502927 DOI: 10.1200/JCO.20.03288

目的
バーキットリンパ腫 Burkitt lymphoma (BL)は特有の生物学的性質と臨床経過を持つが、標準化された予後モデルがない。著者らは、リスク層別化、臨床試験の解釈、新たな治療アプローとの開発に資することを目的に、BLに特異的な新しい予後因子を開発・検証した。

方法
著者らは、米国で2009年から2018年までの間に免疫化学療法で治療された成人のBL患者のreal-worldデータセットから、無増悪生存(PFS)と最も強い関連を示す変数の候補を同定し、BL International Prognostic Index (BL-IPI)を作成した。この指標を、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリアで2004年から2019年までの間に治療された患者から得られた外部データセットを用いて検証した。

結果
633人のBL患者から成る作成コホート derivation cohort において、年齢 ≧ 40歳、パフォーマンスステータス ≧ 2、血清LDH ≧ 正常上限の3倍、中枢神経浸潤、が同等の重みを持つ独立した予後因子だった。
BL-IPIで低リスク(リスク因子が0個、患者の18%)、中間リスク(1個、36%)、高リスク(2個以上、46%)のリスクグループを同定した結果、それぞれの3年無増悪生存率はそれぞれ92%、76%、56%と推定され、3年全生存率は96%、76%、59%と推定された。この指標は、HIV感染状態、病期、ファーストラインの化学療法レジメンに関係なく治療成績を分類した。
457人の患者から成る検証コホートにおいても、患者背景、BL-IPIにより作成されたグループの相対的なサイズ、各グループの治療成績の違いは矛盾がなく、3年PFSの推定値はBL-IPIの低、中、高リスク群の順にそれぞれ96%、82%、63%だった。

結論
BL-IPIは成人BL患者の生存予後をはっきりと分類し、臨床試験における予後予測と層別化に適している。高リスク群は標準治療による治療成績が良くないため、革新的な治療アプローチを考慮するべきである。

 

f:id:kusarenaikai:20210403162744p:plain