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ダラツムマブ併用化学療法を受けた再発・難治性多発性骨髄患者における、微小残存病変に関する検討

Evaluation of Sustained Minimal Residual Disease Negativity With Daratumumab-Combination Regimens in Relapsed and/or Refractory Multiple Myeloma: Analysis of POLLUX and CASTOR
J Clin Oncol. 2021 Apr 1;39(10):1139-1149. doi: 10.1200/JCO.20.01814. Epub 2021 Jan 29.
PMID: 33513030 DOI: 10.1200/JCO.20.01814

目的
再発・難治性の多発性骨髄腫において、ダラツムマブは骨髄腫増悪または死亡のリスクをPOLLUX (ダラツムマブ+レナリドミド+デキサメタゾン [D-Rd])とCASTOR (ダラツムマブ+ボルテゾミブ+デキサメタゾン [D-Vd])とで60%以上減少させた。
微小残存病変(MRD)は感度の高い疾患コントロールの尺度である。MRD陰性の持続と治療成績について、これらの研究で評価した。

方法
MRDは、完全奏効(CR)と考えられた時点で次世代シークエンス(10^-5)により評価し、POLLUXではCRが確認されてから3ヶ月後と6ヶ月後、CASTORでは最初の投与から6ヶ月後と12ヶ月後に評価し、どちらの研究でもCR達成後12ヶ月毎に評価した。
MRD陰性の持続(≧ 6ヶ月または≧ 12ヶ月)は、intention-to-treat (ITT) populationとCR以上を達成したpopulationで評価した。

結果
フォローアップ期間の中央値はPOLLUXで54.8ヶ月、CASTORで50.2ヶ月だった。ITT populationで、MRD陰性率はD-Rd 32.5% vs Rd 6.7%、D-Vd 15.1% vs Vd 1.6%だった(いずれもP < 0.0001)。CR以上を達成した患者では、MRD陰性率がより高かった(POLLUX D-Rd 57.4% vs Rd 29.2%; P = 0.0001、CASTOR D-Vd 52.8% vs Vd 17.4%; P = 0.0035)。
ITT populationにおいて、MRD陰性が6ヶ月以上持続した患者はD-Rdの方がRdよりも多く(20.3% vs 2.1%; P < 0.0001)、D-Vdの方がVdよりも多かった(10.4% vs 1.2%; P < 0.0001)。また、12ヶ月以上の持続についても同様だった(D-Rd 16.1% vs Rd 1.4%; P < 0.0001、D-Vd 6.8% vs Vd 0%)。CR以上を達成した患者においても、MRD陰性の持続については同様の結果が得られた。ダラツムマブを組み込んだアームの方がMRD陰性を達成した患者が多く、そして無増悪生存期間の延長と関連していた。

結論
ダラツムマブをベースとした併用療法は標準治療と比較して持続的なMRD陰性をもたらしやすく、持続的な寛解と臨床成績の延長と関連している。