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臨床試験外の日常臨床においても、TKI中止はうまくいくらしい

Successful tyrosine kinase inhibitor discontinuation outside clinical trials - data from the population-based Swedish chronic myeloid leukaemia registry
Br J Haematol. 2021 Mar 30. doi: 10.1111/bjh.17392.
PMID: 33782950 DOI: 10.1111/bjh.17392

慢性骨髄性白血病 (CML) では、患者によってはチロシンキナーゼ阻害薬 tyrosine kinase inhibitor (TKI) を中止できることが臨床試験により示されている。最新のCMLガイドラインは日常臨床においてこのような手順を支持しているが、臨床試験以外でのTKI中止に関するデータは限られている。この後ろ向き研究で著者らは、スウェーデンCML登録を利用し、population-based settingにおけるTKI中止について調べた。
2007年から2012年までの間に慢性期のCML (CML-CP)と診断された584人のうち、548人でTKI中止に関する評価可能なデータが得られた。フォローアップ期間の中央値は診断から9年で、128人(23%)がDMR (deep molecular response)達成を理由にTKIを中止(1ヶ月以上)し、107人(20%)が他の理由(有害事象、同種幹細胞移植、妊娠など)を理由に中止していた。
DMRで中止した患者のうち、49%はTKIを再開していた(再開までの期間の中央値は4.8ヶ月)。全体で、38人は臨床試験の中でTKIを中止し、90人は臨床試験外で中止していた。24ヶ月後の時点で、臨床試験外で中止した患者の41.1%がTKIを再開していた。
臨床試験外で中止した患者の方が、中止前のTKI治療期間が長く、第2世代TKIで治療された割合がわずかに高かったため、これがおそらく臨床成績に影響している。
要約すると、日常臨床におけるCMLでのTKI中止はよく行われており、実行可能であり、臨床試験と同じくらい上手くいく可能性があることが示された。