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MDSの新たな予後予測モデル

Personalized Prediction Model to Risk Stratify Patients With Myelodysplastic Syndromes
J Clin Oncol. 2021 Aug 18;JCO2002810.
PMID: 34406850 DOI: 10.1200/JCO.20.02810

目的
骨髄異形成症候群(MDS)患者の生命予後は、数ヶ月から数十年までの幅がある。臨床的、病理学的、分子生物学的データを組み込んだ予後システムには、様々な治療を受ける患者の生存をより正確かつ動的に予測できる可能性がある。

方法
臨床的、分子生物学的データの包括的な注釈が付いたMDS患者合計1,471人をトレーニンコホートに入れ、機械学習により解析を行った。予後モデルの構築にはrandom survival algorithmを用い、外的コホートにおいて検証を行った。提案されたモデルの正確性を、concordance (c) indexを用いて、既に確立された他のモデルと比較し評価した。

結果
レーニンコホートの年齢中央値は71歳だった。遺伝子変異で頻度が高かったものはSF3B1、TET2、ASXL1があった。アルゴリズムにより、核型、血小板数、ヘモグロビンレベル、骨髄中の芽球比率、年齢、その他の臨床的変数、7つの遺伝子変異、変異の数が全生存とleukemia-free survivalに影響していることが明らかとなった。このモデルは465人の患者からなる独立した外的コホート、前向き臨床試験で治療を受けたMDS患者からなるコホート、疾患経過中の2つの異なるタイミングでサンプルが得られた患者からなるコホート、そして造血幹細胞移植を受けた患者からなるコホートにおいて検証された。

結論
臨床的、遺伝学的データに基づき、パーソナライズされた予後モデルはこれまでに確立されたMDSの予後モデルを上回っていた。新しいモデルは動的であり、生存、それぞれの患者により異なる時点での白血病への移行確率を予測し、患者をより適切なリスクカテゴリへとステージを上げ下げすることができる。

The new model was dynamic, predicting survival and leukemia transformation probabilities at different time points that are unique for a given patient, and can upstage and downstage patients into more appropriate risk categories.