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ダラツムマブ併用化学療法を受けた再発・難治性多発性骨髄患者における、微小残存病変に関する検討

Evaluation of Sustained Minimal Residual Disease Negativity With Daratumumab-Combination Regimens in Relapsed and/or Refractory Multiple Myeloma: Analysis of POLLUX and CASTOR
J Clin Oncol. 2021 Apr 1;39(10):1139-1149. doi: 10.1200/JCO.20.01814. Epub 2021 Jan 29.
PMID: 33513030 DOI: 10.1200/JCO.20.01814

目的
再発・難治性の多発性骨髄腫において、ダラツムマブは骨髄腫増悪または死亡のリスクをPOLLUX (ダラツムマブ+レナリドミド+デキサメタゾン [D-Rd])とCASTOR (ダラツムマブ+ボルテゾミブ+デキサメタゾン [D-Vd])とで60%以上減少させた。
微小残存病変(MRD)は感度の高い疾患コントロールの尺度である。MRD陰性の持続と治療成績について、これらの研究で評価した。

方法
MRDは、完全奏効(CR)と考えられた時点で次世代シークエンス(10^-5)により評価し、POLLUXではCRが確認されてから3ヶ月後と6ヶ月後、CASTORでは最初の投与から6ヶ月後と12ヶ月後に評価し、どちらの研究でもCR達成後12ヶ月毎に評価した。
MRD陰性の持続(≧ 6ヶ月または≧ 12ヶ月)は、intention-to-treat (ITT) populationとCR以上を達成したpopulationで評価した。

結果
フォローアップ期間の中央値はPOLLUXで54.8ヶ月、CASTORで50.2ヶ月だった。ITT populationで、MRD陰性率はD-Rd 32.5% vs Rd 6.7%、D-Vd 15.1% vs Vd 1.6%だった(いずれもP < 0.0001)。CR以上を達成した患者では、MRD陰性率がより高かった(POLLUX D-Rd 57.4% vs Rd 29.2%; P = 0.0001、CASTOR D-Vd 52.8% vs Vd 17.4%; P = 0.0035)。
ITT populationにおいて、MRD陰性が6ヶ月以上持続した患者はD-Rdの方がRdよりも多く(20.3% vs 2.1%; P < 0.0001)、D-Vdの方がVdよりも多かった(10.4% vs 1.2%; P < 0.0001)。また、12ヶ月以上の持続についても同様だった(D-Rd 16.1% vs Rd 1.4%; P < 0.0001、D-Vd 6.8% vs Vd 0%)。CR以上を達成した患者においても、MRD陰性の持続については同様の結果が得られた。ダラツムマブを組み込んだアームの方がMRD陰性を達成した患者が多く、そして無増悪生存期間の延長と関連していた。

結論
ダラツムマブをベースとした併用療法は標準治療と比較して持続的なMRD陰性をもたらしやすく、持続的な寛解と臨床成績の延長と関連している。

自家幹細胞移植を予定していない新規診断骨髄腫患者を対象とした、KRdとVRdの比較第3相試験(ENDURANCE trial)

Carfilzomib or bortezomib in combination with lenalidomide and dexamethasone for patients with newly diagnosed multiple myeloma without intention for immediate autologous stem-cell transplantation (ENDURANCE): a multicentre, open-label, phase 3, randomised, controlled trial
Lancet Oncol. 2020 Oct;21(10):1317-1330. doi: 10.1016/S1470-2045(20)30452-6. Epub 2020 Aug 28.
PMID: 32866432 PMCID: PMC7591827 (available on 2021-10-01) DOI: 10.1016/S1470-2045(20)30452-6

背景
ボルテゾミブ、レナリドミド、デキサメタゾンの併用 (VRd)は、新規に診断された多発性骨髄腫の標準治療である。次世代プロテアソーム阻害薬であるカルフィルゾミブと、レナリドミド、デキサメタゾンの併用 (KRd)は、第2相試験において期待の持てる有効性を示し、VRdと比較して治療成績を改善させる可能性がある。著者らは、新規に診断された多発性骨髄腫患者のうち、直ちに自家幹細胞移植 (ASCT)を行うことが検討されていない患者において、KRdレジメンがVRdレジメンよりも優れているかを評価することを目的とした。

方法
今回の試験(ENDURANCE trial; E1A11)は多施設共同・オープンラベル・第3相のランダム化比較試験であり、新規に多発性骨髄腫と診断された18歳以上の患者で、近日中のASCTの適応がないか、または予定されていない患者を募った。参加者の募集は、米国の地域のがん治療施設または大学医療センター、合計272施設で行った。
重要な選定基準は、高リスクの多発性骨髄腫ではないこと、ECOG-PSが0~2であることだった。参加患者は、置換ブロック法を用いて、一元的にVRdまたはKRdを用いた導入療法(36週間)のいずれかにランダムに1:1の比で割り当てられた。導入療法を完遂した患者は、2回目のランダム化でレナリドミドを用いた無期限の維持療法または2年間の維持療法のいずれかに1:1の比でランダムに割り付けられた。
1回目のランダム化においては、骨髄腫が増悪した際にASCTを行う意向があるかで層別化し、2回目のランダム化の際には導入療法により層別化した。治療割当は、治験担当者と患者のいずれに対してもマスクされなかった。
VRd群の患者は、以下の内容の治療を3週間サイクルで12サイクル受けた。

  • ボルテゾミブ 1.3 mg/m2 皮下注または静注 day 1, 4, 8, 11 (1~8サイクル目)、day 1, 8 (9~12サイクル目)
  • レナリドミド 25 mg 内服 day 1~14
  • デキサメタゾン 20 mg 内服 day 1, 2, 4, 5, 8, 9, 11, 12

KRd群の患者は、以下の内容の治療を4週間サイクルで9サイクル受けた。

  • カルフィルゾミブ 36 mg/m2 静注 day 1, 2, 8, 9, 15, 16
  • レナリドミド 25 mg 内服 day 1~21
  • デキサメタゾン 40 mg 内服 day 1, 8, 15, 22

主要評価項目は導入期における無増悪生存と、維持期における全生存とした。主要な解析はintention-to-treat populationで行い、安全性については割り付けられた治療を1回以上行った患者を対照に評価した。この試験はClinicalTrials.govに登録されている(NCT01863550)。参加者募集は完了し、維持期のフォローアップは現在も実施中である。

結果
2013年12月6日から2019年2月6日までの間に、1087人が登録し、VRdレジメン(n=542)またはKRdレジメン(n=545)のいずれかにランダムに割り付けられた。計画された2回目の中間解析では、フォローアップ期間中央値は9ヶ月(IQR 5~23)で、無増悪生存期間の中央値はKRd群が34.6ヶ月(95% CI 28.8~37.8)、VRd群が34.4ヶ月(30.1~推定不能)だった(ハザード比 [HR] 1.04, 95% CI 0.83~1.31; p=0.74)。全生存期間の中央値は、両群ともに到達しなかった。
grade 3-4の治療関連・非血液有害事象で頻度が高かったものとしては倦怠感 (VRd群 34/527 [6%] vs KRd群 29/526 [6%])、高血糖 (23 [4%] vs 34 6%])、下痢 (23 [5%] vs 16 [3%])、末梢神経障害 (44 [8%] vs 4 [<1%])、呼吸困難 (9 [2%] vs 38 [7%])、血栓症 (11 [2%] vs 26 [5%])があった。治療関連死亡はVRd群で2例 (<1%。心毒性1例、二次発癌1例)、KRd群で11例 (2%。心毒性4例、急性腎不全2例、肝毒性1例、呼吸不全2例、血栓症1例、突然死1例)あった。

考察
KRdレジメンは、VRdレジメンと比較して新規に診断された多発性骨髄腫患者の無増悪生存を改善せず、毒性が多かった。3剤併用のVRdレジメンは依然として標準または中等度リスク患者の導入療法における標準であり、4剤併用療法を開発する上での適切な治療バックボーンである。

Funding: US National Institutes of Health, National Cancer Institute, and Amgen.

高齢DLBCL患者の評価と予後予測指標

Simplified Geriatric Assessment in Older Patients With Diffuse Large B-Cell Lymphoma: The Prospective Elderly Project of the Fondazione Italiana Linfomi
J Clin Oncol. 2021 Apr 10;39(11):1214-1222. doi: 10.1200/JCO.20.02465. Epub 2021 Feb 12.
PMID: 33577377 DOI: 10.1200/JCO.20.02465

目的
高齢のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者について、診断時点での単純化した高齢患者評価simplified geriatric assessment (sGA)の使用と、予後スコアとの統合を前方視的に評価すること。

方法
著者らは、64歳以上のDLBCL患者で、治療前にFondazione Italiana Linfomiのoriginal geriatric assessment (oGA)による評価を受けた患者について、前方視的なElderly Project研究を実施した。治療の選択は担当医の裁量に委ねた。主要評価項目は全生存(OS)とした。(ClinicalTrials.gov identifier: NCT02364050)

結果
1,163人(年齢中央値 76歳)について解析し、3年OSは65%だった(95% CI, 62~68)。oGAの多変量解析において、依然として年齢(>80歳)が独立してOSと関連していたため、新たに単純化したGA (sGA)を開発した。sGAでは患者をfit (55%)、unfit (28%)、frail (18%)に分類し、それぞれの3年OSは75%、58%、43%で有意な違いがあった。
sGAの群、IPI、ヘモグロビンレベルがOSの独立した予測因子であり、これらを用いてElderly Prognostic Index (EPI)を構築した。low (23%)、intermediate (48%)、high (29%)の3つのリスク群に分類され、それぞれの推定3年OSは87% (95% CI, 81~91)、69% (63~73)、42% (36~49)だった。独立した別の328症例を用いて、EPIをした。

結論
Elderly ProjectはsGAをfitness statusの客観的ツールとして検証し、高齢DLBCL患者のOSを予測するEPIを定義した。

臨床試験外の日常臨床においても、TKI中止はうまくいくらしい

Successful tyrosine kinase inhibitor discontinuation outside clinical trials - data from the population-based Swedish chronic myeloid leukaemia registry
Br J Haematol. 2021 Mar 30. doi: 10.1111/bjh.17392.
PMID: 33782950 DOI: 10.1111/bjh.17392

慢性骨髄性白血病 (CML) では、患者によってはチロシンキナーゼ阻害薬 tyrosine kinase inhibitor (TKI) を中止できることが臨床試験により示されている。最新のCMLガイドラインは日常臨床においてこのような手順を支持しているが、臨床試験以外でのTKI中止に関するデータは限られている。この後ろ向き研究で著者らは、スウェーデンCML登録を利用し、population-based settingにおけるTKI中止について調べた。
2007年から2012年までの間に慢性期のCML (CML-CP)と診断された584人のうち、548人でTKI中止に関する評価可能なデータが得られた。フォローアップ期間の中央値は診断から9年で、128人(23%)がDMR (deep molecular response)達成を理由にTKIを中止(1ヶ月以上)し、107人(20%)が他の理由(有害事象、同種幹細胞移植、妊娠など)を理由に中止していた。
DMRで中止した患者のうち、49%はTKIを再開していた(再開までの期間の中央値は4.8ヶ月)。全体で、38人は臨床試験の中でTKIを中止し、90人は臨床試験外で中止していた。24ヶ月後の時点で、臨床試験外で中止した患者の41.1%がTKIを再開していた。
臨床試験外で中止した患者の方が、中止前のTKI治療期間が長く、第2世代TKIで治療された割合がわずかに高かったため、これがおそらく臨床成績に影響している。
要約すると、日常臨床におけるCMLでのTKI中止はよく行われており、実行可能であり、臨床試験と同じくらい上手くいく可能性があることが示された。

妊娠中に母体が非ホジキンリンパ腫と診断された80例の治療成績

Maternal and neonatal outcomes in 80 patients diagnosed with non-Hodgkin lymphoma during pregnancy: results from the International Network of Cancer, Infertility and Pregnancy
Br J Haematol. 2021 Apr;193(1):52-62. doi: 10.1111/bjh.17103. Epub 2020 Sep 18.
PMID: 32945547 DOI: 10.1111/bjh.17103

今回のコホート研究はInternational Network on Cancer, Infertility and Pregnancy (INCIP)によるものであり、1986年から2019年までの間に非ホジキンリンパ腫と診断された80人の妊娠中の患者について、57人(71%)のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に特に焦点を当てて、母体と新生児の成績を報告する。
80人の患者のうち、54人(68%)は化学療法を受け、その大半(89%)はCHOP-likeレジメンだった。妊娠初期の4人は中絶した。妊娠を継続した76人のうち、死産が1例(1.3%)あった。全体として、低出生体重児(39%)、早産(52%)、分娩合併症(41%)、新生児合併症(12.5%)の頻度が高く、これは出生前の化学療法だけでは説明がつかなかった。
早産の半数(46%)は腫瘍に対する治療のために計画されたものだった。
R-CHOPで治療されたDLBCL患者の3年無増悪生存率、全生存率は限局期(n=29)で83.4%と95.7%、進行期(n=15)で60.6%と73.3%だった。リツキシマブを投与された36例のうち、5例(13%)で新生児に合併症がみられ、3例(8%)で母体に感染症が報告された。
結論として、高リスク患者に対応している周産期センターにおいては、DLBCLの標準的な治療を妊娠中の患者に提供可能である。

Burkitt Lymphoma International Prognostic Index (BL-IPI)

Burkitt Lymphoma International Prognostic Index
J Clin Oncol. 2021 Apr 1;39(10):1129-1138. doi: 10.1200/JCO.20.03288.
PMID: 33502927 DOI: 10.1200/JCO.20.03288

目的
バーキットリンパ腫 Burkitt lymphoma (BL)は特有の生物学的性質と臨床経過を持つが、標準化された予後モデルがない。著者らは、リスク層別化、臨床試験の解釈、新たな治療アプローとの開発に資することを目的に、BLに特異的な新しい予後因子を開発・検証した。

方法
著者らは、米国で2009年から2018年までの間に免疫化学療法で治療された成人のBL患者のreal-worldデータセットから、無増悪生存(PFS)と最も強い関連を示す変数の候補を同定し、BL International Prognostic Index (BL-IPI)を作成した。この指標を、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリアで2004年から2019年までの間に治療された患者から得られた外部データセットを用いて検証した。

結果
633人のBL患者から成る作成コホート derivation cohort において、年齢 ≧ 40歳、パフォーマンスステータス ≧ 2、血清LDH ≧ 正常上限の3倍、中枢神経浸潤、が同等の重みを持つ独立した予後因子だった。
BL-IPIで低リスク(リスク因子が0個、患者の18%)、中間リスク(1個、36%)、高リスク(2個以上、46%)のリスクグループを同定した結果、それぞれの3年無増悪生存率はそれぞれ92%、76%、56%と推定され、3年全生存率は96%、76%、59%と推定された。この指標は、HIV感染状態、病期、ファーストラインの化学療法レジメンに関係なく治療成績を分類した。
457人の患者から成る検証コホートにおいても、患者背景、BL-IPIにより作成されたグループの相対的なサイズ、各グループの治療成績の違いは矛盾がなく、3年PFSの推定値はBL-IPIの低、中、高リスク群の順にそれぞれ96%、82%、63%だった。

結論
BL-IPIは成人BL患者の生存予後をはっきりと分類し、臨床試験における予後予測と層別化に適している。高リスク群は標準治療による治療成績が良くないため、革新的な治療アプローチを考慮するべきである。

 

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若年、未治療の高リスクアグレッシブB細胞リンパ腫患者を対象とした、R-MegaCHOEP+ASCTとR-CHOEP-14のランダム化第3相試験。の10年フォローアップ結果。

Rituximab plus high-dose chemotherapy (MegaCHOEP) or conventional chemotherapy (CHOEP-14) in young, high-risk patients with aggressive B-cell lymphoma: 10-year follow-up of a randomised, open-label, phase 3 trial
Clinical Trial Lancet Haematol. 2021 Apr;8(4):e267-e277. doi: 10.1016/S2352-3026(21)00022-3. Epub 2021 Mar 2.
PMID: 33667420 DOI: 10.1016/S2352-3026(21)00022-3

背景
R-MegaCHOEPは、高用量化学療法+リツキシマブとそれに引き続く自家造血幹細胞移植(HSCT)と、従来からの化学療法+リツキシマブをファーストラインで比較した初めての第3相試験であり、60歳以下の高リスクアグレッシブB細胞リンパ腫患者を対象とした。
これらの患者の長期成績については、ほとんど分かっていない。著者らは、R-MegaCHOEP試験の10年後のフォローアップで、従来からの化学療法と高用量化学療法の長期有効性と安全性を比較、評価することを目的とした。

方法
この試験はオープンラベル・ランダム化・第3相試験であり、ドイツの61施設で実施された。対象18~60歳で、新たに診断された高リスク(年齢調整IPIが2または3)のアグレッシブB細胞リンパ腫の患者で、従来からの化学療法とリツキシマブを併称したR-CHOEP-14を8サイクル行う群、または高用量化学療法にリツキシマブを併用したR-MegaCHOEPを4サイクル行い、その後自家HSCTを行う群のいずれかに(Pocock minimisationを用いて1:1の比で)ランダムに割り付けられた。この試験ではマスクはされなかった。
対象患者はaaIPIの因子、バルキー病変(腫瘍径 ≧ 7.5cm)の有無、治療施設で層別化された。主要評価項目は無イベント生存で、ランダム化後10年で解析した。10年全生存、無増悪生存、条件付き生存、再発パターン、二次発癌、分子生物学的特徴についても解析した。全ての解析はintention-to-treat populationで行った。
この試験はClinicalTrials.govに登録されている(NCT00129090)。

結果
2003年3月3日から2009年4月7日までの間に、275人の患者がR-CHOEP-14 (n=136)またはR-MegaCHOEP (n=139)のいずれかにランダムに割り付けられた。R-CHOEP-14群の130人と、R-MegaCHOEP群の132人がintention-to-treat populationに含まれている。
フォローアップ期間の中央値は9.3年 (IQR 5.1~11.1)で、10年無イベント生存率はR-MegaCHOEP群で51% (95% CI 42~61)、R-CHOEP-14群で57% (47~67)だった(調整ハザード比 [HR] 1.3 [95% CI 0.9~1.8]、p = 0.23)。
10年無増悪生存率はR-MegaCHOEP群で59%(50~68)、R-CHOEP-14群で60%(51~70)だった(調整HR 1.1 [0.7~1.7]、p=0.64)。
10年全生存率はR-MegaCHOEP群で66%(57~76)、R-CHOEP-14群で72%(63~81)だった(調整HR 1.3 [0.8~2.1]、p=0.26)。
再発は完全寛解または不確定完全寛解に達した190人のうち30人 (16% [95% CI 11~22])でみられ、内訳はR-CHOEP-14群の100人中17人(17%)、R-MegaCHOEP群90人中13人(14%)だった。30人のうち7人(23%)は、再発時には低グレードの組織型であり、アグレッシブな組織型で再発した患者と比較して予後が良かった。
治療失敗の64人のうち18人(28%)でリンパ腫の中枢神経浸潤がみられた。intention-to-treat-populationで22人に二次発癌が報告された。内訳は、R-CHOEP-14の127人中12人(9%)と、R-MegaCHOEP群126人のうち10人(8%)だった。

解釈
10年のフォローアップで、無イベント生存率と全生存率は2群間で差がなかった。R-MegaCHOEP群においては、高用量化学療法と自家HSCTによって治療成績が改善されなかった。アグレッシブな組織型で再発した患者は中枢神経浸潤の頻度が高く、予後は不良だった。これらの患者については、新たな治療法が強く是認される。

Funding: Deutsche Krebshilfe (German Cancer Aid).

限局期、予後不良群のホジキンリンパ腫治療では、PETガイドにより放射線治療を省略できるかもしれない (GHSG HD17 trial)

PET-guided omission of radiotherapy in early-stage unfavourable Hodgkin lymphoma (GHSG HD17): a multicentre, open-label, randomised, phase 3 trial
Lancet Oncol. 2021 Feb;22(2):223-234. doi: 10.1016/S1470-2045(20)30601-X.
PMID: 33539742 DOI: 10.1016/S1470-2045(20)30601-X

背景
化学療法と放射線治療からなる集学的治療は、限局期予後不良群のホジキンリンパ腫における標準的な治療である。しかし、放射線治療は長期の合併症をもたらす可能性があり、この点は特に懸念される。というのも、ホジキンリンパ腫は診断時年齢が約30歳と若年者に多いからである。著者らはGerman Hodgkin Study Group HD17 trialにおいて、eBEACOPP 2コース +ABVD 2コース (2+2)が終了した後にcomplete metabolic responseを達成した患者は有効性を損なうことなく放射線治療を省略できるかを調べた。

方法
今回の試験は多施設共同・オープンラベル・ランダム化第3相試験であり、ドイツ、スイス、オーストリア、オランダの224の病院と個人開業医が参加した。新たに限局期予後不良群のホジキンリンパ腫(全ての組織型)と診断された患者(年齢18〜60歳)を登録した。対象患者は2+2レジメンの後に30 Gyのinvolved-field radiotherapyを行う群(標準的集学的治療群)、または2+2レジメン終了後のPETが陽性だった場合にのみ30 Gyのinvolved-field radiotherapyを追加する群(PET4ガイド治療群)のいずれかに1:1の割合でランダムに割り付けられた。ランダム化は、センターでminimisation methodを用いて行い、7つの因子で層別化した(施設、年齢、性別、臨床症状、病変の局在、アルブミン濃度、バルキー病変)。また、患者と担当医師はPET4のcentral reviewが完了するまで治療の割当を伏せられた。
今回提示する最終解析の第一の目的は、PET4ガイド戦略がper-protocol解析で主要評価項目である無増悪生存の非劣勢を示すことである。著者らは、非劣勢を2群間の5年推定無増悪生存率の差(絶対値)が8%と定義した。安全性解析は、intention-to-treat populationで実施した。この試験はClinicalTrials.govに登録されている(NCT01356680)。

結果
2012年1月13日から2017年3月21日までの間に、著者らは1,100人の患者を登録し、標準的集学的治療群(n=548)またはPET4ガイド治療群(n=552)のいずれかにランダムに割り付けた; 各群2人がランダム化に不適格と判明した。
フォローアップ期間の中央値は46.2ヶ月(IQR 32.7〜61.2)で、5年無増悪生存率は標準的集学的治療群で97.3% (95% CI 94.5〜98.7)、PET4ガイド治療群で95.1% (92.0〜97.0)だった(ハザード比 0.523 [95% CI 0.226〜1.211])。両群間の差は2.2% (95% CI -0.9〜5.3)であり、非劣勢マージンの8%を除外した。
grade 3〜4の急性の血液学的有害事象で頻度が高かったものは白血球減少(標準的集学的治療群 528人中436人 [83%] vs PET4ガイド治療群 529人中443人 [84%])と血小板減少(139人 [26%] vs 176人[33%])だった。また、急性の非血液学的毒性で頻度が高かったものは感染症(32人 [6%] vs 40人 [8%])と悪心・嘔吐 (38人 [7%] vs 29人 [6%])だった。放射線治療に関連した急性の有害事象で頻度が高かったものは嚥下障害(26人 [6%] vs 3人 [2%])と粘膜炎 (9人 [2%] vs 0人)だった。重篤な有害事象は、集学的治療群では546人中161人 (29%)で合計229件発生し、PET4ガイド治療群では550人中164人 (30%)で合計235件発生した。PET4ガイド治療群において、想定されていなかった重篤な有害事象(感染症)が疑われる死亡例が1例あった。

考察
新たに診断された限局期予後不良群のホジキンリンパ腫患者においては、2+2レジメンの化学療法終了後のPETで陰性だった場合には、地固めの放射線治療を省略しても臨床的な有効性を損なうことはなく許容される。そのため、PET4ガイド治療は、放射線治療の晩期障害リスクに曝される患者を減らす可能性がある。

Funding: Deutsche Krebshilfe.

 

interim FDG-PETはDLBCLの予後を予測するかもしれない。

Prognostic Value of Interim FDG-PET in Diffuse Large Cell Lymphoma: Results From the CALGB 50303 Clinical Trial
PMID: 32232481  DOI: 10.1182/blood.2019003277

大細胞リンパ腫のランダム化・前向き臨床試験の一部として、著者らはベースライン、化学療法2サイクル後(i-PET)、治療終了時点 end of treatment (EoT)でFDG-PETを実施し、寛解と生存を予測する反応のバイオマーカーを同定することを試みた。
画像はコアラボラトリーで2人の画像専門家によるvisual 5-point scale (5-PS)を用いた評価と、FDG uptakeの変化率(ΔSUV)によって解釈された。
visual score 1〜3かつΔSUV 66%をnegativeと定義した。
母体の試験に参加した524人のうち、169人がPETを用いた試験への参加に同意し、158人が最終解析の条件を満たした。
この集団において、全ての患者でベースラインにおいてFDGの集積を伴う病変があり、5-PSでは55人(35%)がi-PETで依然としてpositive、28人(18%)がEoT PETでpositiveだった。
i-PETにおけるΔSUVの中央値は86.2%だった。フォローアップ期間の中央値は5年で、連続変数としてのΔSUVは無増悪生存(PFS) (HR=0.99, 95% CI: 0.97-1.00, p=0.02)、全生存(OS) (HR=0.98, 95% CI: 0.97-0.99, p=0.03)と関連していた。
ΔSUV 66%はOSと関連していたが(HR=0.31, 95% CI: 0.11-0.85, p=0.02)、PFSとは関連していなかった(HR=0.47, 95% CI: 0.19-1.13, p=0.09)。
i-PETにおけるvisual 5-PSは治療結果を予測しなかった。i-PETにおけるΔSUVは、イベント数が少なく統計解析に制約があったもののDLBCLにおけるOSを予測した。これらのデータが、PETによる奏功に応じた治療調整を行う臨床試験を将来行う際の一助となる可能性がある。
この試験はclinicaltrials.govに登録されている(NCT00118209)