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未治療MCLに対するbevacizumab併用R-CHOPの長期成績

Long-term follow-up of R-CHOP with bevacizumab as initial therapy for mantle cell lymphoma: clinical and correlative results.
(Clin Lymphoma Myeloma Leuk 2014;14:107-113)

[背景] 近年明らかになっている知見から、マントル細胞リンパ腫(MCL)では腫瘍微小環境において血管新生が亢進していることが示されている。著者らは、未治療MCLにおいて標準的なR-CHOPにbevacizumabを加えることで抗腫瘍効果が増強されるかどうかを判断するために、第2相臨床試験を行った。
[患者・方法] 未治療のMCL患者11例がbevacizumab (15 mg/kg day1)、CHOP-21、rituximab (375 mg/m^2 day3)からなる治療を合計6サイクル受けた。評価項目には安全性と効果に加え、血管新生プロファイルの探索的解析も含まれた。試験はDLBCLにおいて心血管イベントが増加したという安全性の所見に基づき、2010年8月に中止された。
[結果] 安全性プロファイルとして標準的なR-CHOP以上にみられたものとして、grade 3の左室機能不全が2例(18%)、grade 1/2の高血圧、蛋白尿、出血がそれぞれ1例(9%)ずつみられた。全奏功率は82%で、完全奏功(CRu含む)は36%だった。無増悪生存期間中央値は18か月(95% CI, 3-未到達)で、3年全生存率は82%だった。ベースラインにおいて腫瘍細胞のVEGFR-1発現が増強しており、また治療中を通じて血漿中のVEGF値が上昇していた。
[結論] 標準的R-CHOPにbevacizumabを加えても、過去のR-CHOPの報告と比較して効果を有意に改善しなかったと思われた。腫瘍の微小環境において、VEGFに関連した、あるいはVEGFとは独立した標的を持続的に阻害する治療戦略が抗血管新生効果をさらに改善するかもしれず、MCLにおけるさらなるが是認される。