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再発または治療抵抗性の多発性骨髄腫患者を対象とした、ダラツムマブの皮下投与

Subcutaneous delivery of daratumumab in relapsed or refractory multiple myeloma.
Blood. 2019 Aug 22;134(8):668-677. doi: 10.1182/blood.2019000667.
PMID: 31270103

ダラツムマブはCD38を標的としたヒトモノクローナル抗体であり、多発性骨髄腫(MM)患者に対する単剤治療または併用レジメンについて承認されている。現在、ダラツムマブは経静脈的に投与されている。
第1b相試験であるPAVO (MMY1004)において、再発または治療抵抗性のMM患者を対象に、組み替えヒトヒアルロニダーゼPH20酵素(rHuPH20)とダラツムマブを組み合わせて皮下投与し、評価した。
今回報告するのは、試験の第一部であり、ここではダラツムマブとrHuPH20から成る皮下投与製剤(DARA-MD)を評価した。

対象患者は、経静脈投与で承認された投与スケジュールに従い、ダラツムマブ 1200 mg (n = 8)または1800 mg (n = 45)を皮下投与された。
主要評価項目は安全性と薬物動態(PK)に関する変数とした。

治療により出現した有害事象の中で頻度が高かったものは、DARA-MD 1200 mgでは血小板減少、上気道感染症、不眠、食欲低下であった(それぞれ37.5%)。DARA-MD 1800 mgでは貧血(33.3%)、上気道感染症、発熱、下痢(以上それぞれ26.7%)の頻度が高かった。
1200 mg群の1人(12.5%)と1800 mg群の11人(24.4%)で投与関連反応がみられ、大抵はgrade 1/2であり、初回投与でみられることが多かった。
1800 mg投与では16 mg/kg 経静脈投与と比較して同等またはそれ以上の血中濃度が得られた。
全奏効率は1200 mg群で25.0%、1800 mg群で42.2%だった。

DARA-MDの皮下投与は再発または治療抵抗性のMM患者において良好な忍容性を示し、1800 mg投与では類似した患者集団において、経静脈投与と比較して遜色ないPK濃度と奏功を示した。 

この研究はwww.clinicaltrials.govに登録されている(NCT02519452)。