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ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫におけるハプロ移植と臍帯血移植の比較

Nonmyeloablative Alternative Donor Transplantation for Hodgkin and Non-Hodgkin Lymphoma: From the LWP-EBMT, Eurocord, and CIBMTR.
J Clin Oncol. 2020 May 10;38(14):1518-1526. doi: 10.1200/JCO.19.02408.
PMID: 32031876

目的
ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫を対象に、骨髄非破壊的なハプロ移植と非血縁者臍帯血(UCB)移植の治療成績を比較した。

患者と方法
著者らは、年齢が18歳~75歳で2009年から2016年までに移植を受けたホジキンリンパ腫患者283人(38%)と非ホジキンリンパ腫患者457人(62%)の合計740人を後ろ向きに解析した。
データはLymphoma Working Party of the European Society for Blood and Marrow TransplantationEurocordCenter for International Blood and Marrow Transplant Researchに報告された。
ハプロ移植を受けた526人のうち、68%は骨髄移植を受け、32%は末梢血移植を受けていた。
全ての患者が同内容の移植前処置(2Gyの全身放射線照射、シクロフォスファミド、フルダラビン)とGVHD予防(カルシニューリン阻害剤、ミコフェノール酸)を受けていた。
これに加えて、ハプロ移植を受けた患者には移植後にシクロフォスファミドを投与された。

結果
年齢、リンパ腫の亜型、疾患の状態を調整すると、ハプロ移植(骨髄移植、末梢血移植)と比較してUCB移植の方が生存率が低かった(ハザード比 [HR] 1.55; P = .001、HR, 1.59; P = .005)。同様に、無増悪生存率もUCB移植の方がハプロ移植(骨髄移植、末梢血移植)よりも低かった(HR, 1.44; P = .002、HR, 1.86; P < .0001)。
4年全生存率と無増悪生存率はUCB移植では49%と36%で、ハプロの骨髄移植では58%と46%、ハプロの末梢血移植では59%と52%だった。
UCB移植がハプロの骨髄移植、末梢血移植と比べて生存率が低いのは、移植関連死亡率の高さによるものだった(HR, 1.91; P = .0001、
HR, 2.27; P = .0002)

結論
今回のデータは、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫にHLA不適合移植を考慮する際、ハプロ血縁ドナーからの移植がUCB移植より上位にあることを支持する。